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コンサルでもSIerでもない。ROUTE06が目指すプロフェッショナルサービスとは

この記事は、ROUTE06のTwitterスペース「ルートシックスラジオ」で配信した内容を再編集したものです。

大手企業のデジタルプラットフォーム立ち上げを最前線で支援するROUTE06のプロフェッショナルサービスについて、ROUTE06代表の遠藤と、共同創業者でプロフェッショナルサービス事業部長の松本がお話ししました。

音声は以下Podcastでお聞きいただけます。


ROUTE06におけるプロフェッショナルサービスの役割

遠藤:まずはROUTE06のプロフェッショナルサービスとは何か、松本さんから簡単に説明してもらうのが良さそうですね。

松本:はい。ROUTE06は、プロフェッショナルサービスプラットフォームサービスの2つを提供しているのですが、中でもプロフェッショナルサービスは社内のプロダクトマネージャー、デザイナー、ソフトウェアエンジニアが、お客様の自社プラットフォームの立ち上げを支援するものです。
公開されている実績としては、そごう・西武さんのCHOOSEBASE SHIBUYA三菱マテリアルさんのプラットフォーム事業三菱商事さんのマーケットプレイス事業などがあり、BtoB /BtoCに関わらず支援しています。ざっくりですが。

遠藤:プロフェッショナルサービスはソフトウェア提供以外でお客さんの事業立ち上げに必要なことをなんでもやる事業部ですね。「コンサルや受託会社のような動きをしているのか」とよく言われるんですけど、そうじゃないということを明確にするためにプロフェッショナルサービスという言い方をしています。

さらに言うと、エンタープライズSaaSと区分される海外の大きめのSaaS企業においては、サブスクリプションとプロフェッショナルサービスという形で売り上げを別で管理しているんです。SaaSとして提供する部分と、カスタマイズだったり導入支援などをやってる部分を分けていて、ROUTE06もPL的なビジネスモデルも実はそういうものになっているので、事業部としてもサービスとしてもPLとしても分けて、トータルでお客さんの事業を支援していく体制にしたのが今年からですね。去年までは色々入り乱れてやっていたところを今年から事業部として定義し直しました。

松本:去年おととしは色々と仮説検証しているような状況でどんな支援に価値があるんだろうと模索しながらやっていて、それが結構見えてきたので今年組織化したようなイメージです。

遠藤:この2年間は松本さんが現場の、元々BizDevと言ってた領域をガンガンリードしてくれていた感じでしたね。

松本:最初BizDevという言葉の元、どこまでやろうか正直悩んだんですけど。振り返ってみると、プロダクトが成功するためだったら何でもやっていたなって思い出がありますね。例えば、そごう・西武さんだと店舗スタッフの研修をやったり、三菱マテリアルさんだとリリース前後には緊急対策室を作ってみんなで会議室にこもったり、お客さんのヒアリングを一緒にやったり。

遠藤:スタートアップのプロダクトを一つ立ち上げるのに近い動きを常にしていて、お客さんが出来ない/不足しているところ、かつ我々がより強化できるところで、事業優先度高いことをやっているので、ある種コンサルっぽい動きでもあるんですけど、あまりコンサルっぽいとはお客さんから思われなかったりするのは特徴があるなと思っています。
ちょうど、一昨日とあるお客さんから言われたんですけど「ROUTE06さんはパワポのスライド作らないから良いですよね」って(笑)。

松本:実際はスライドはどんどん作っていってるんですけど、それはお客さんと認識合わせだったり方向性の整理のためで、実際の「もの」、デザインを作って成果としてお客さんと議論していくことが多いので、そういうところがSIerやコンサルとは違うポイントなのかなというのは個人的に思ってますね。

遠藤:我々にとってスライドやドキュメントを提出してお金をもらうのは全然重要じゃなくて、作ったプロダクトの基盤部分をSaaSとしてお客さんに提供しながらお客さんの事業が伸びていく、良いサービスを作れることが重要で、それが安定すればするほどリカーリングの収益も増えるので。あんまり、ドキュメント作りや説明の過程でお金をチャージできなくてもいい…むしろ、そこは粗利がマイナスでも突っ込もうぜという話は、去年くらいからしてましたよね。

松本:お客さまが困っているのは最初の構想であったり、大手企業さんの場合だと「何を作る」という絵がないとそもそも予算がおりなかったりするので、そこをご支援する、会社としても投資していくというのは価値があるのかなぁと感じているところですね。

何も決まってないところから議論できる面白さ

松本:ちょうど昨日、ROUTE06メンバーとの1on1で「こんなにゆるい状況から案件に参画できるのって新鮮で楽しい」って言われたんですよね。
うちのサービスの特徴としてあるかもしれないですけど、本当にほぼ何も決まってないところから、「こういう方向性で行きたいんだよね」という議論から入れるのは、入ってくる人にとっても面白いポイントなのかなと。

遠藤:スタートアップの創業チームで、プロダクトマネージャー、デザイナー、ソフトウェアエンジニアが1チームでプロダクト作るというのが定説としてありますけど。それと同じ座組で、大企業のプロダクトオーナーとして推進する人のパートナーとして一緒に「こういうサービス作りたい」、「事業を大きくしていきたい」というパッションがあるところから一緒に作っていくので。ある種、共同創業メンバーのような動きができるのは面白いですよね。

松本:本当に最初からプロダクトマネージャー、デザイナー、ソフトウェアエンジニア3人が一致団結してお客さんに入っていくので、お客さんからも「御社とはこの事業を成功させるためのパートナーなので予算も一緒に考えてください」と言われたりするんですよね。なので、お客さんからお仕事を頂いていますけど、もうその事業の責任者のようなマインドで仕事していたりします。

プロフェッショナルサービス3.0の型

遠藤:英語で「Professional Service SaaS」で検索すると海外の色々な事例がでてきてたくさんの定義があるんですけど、ROUTE06でやってるプロフェッショナルサービスって個人的には「プロフェッショナルサービス3.0」と勝手に定義していて。

1.0がコンサルティングファームがやってるリサーチだったりプランニング、方向性のディレクション。2.0 がエンタープライズSaaS系の会社がやってる機能リッチな大きいSaaSがあって、 それを使いこなすためのエキスパートとしての支援、かつセールスサポートのようなこと。
そして、3.0がROUTE06でやってる、これは日本のSI業界が大きいマーケットだからこそだと思うんですけど、コンサル的な動きもちょっとしながら事業を立ち上げるためのプロフェッショナルサービス

なんでもやりながら、ROUTE06のプロダクトである「Plain」をお客さんに使ってもらって売っていくので、従来のデジタルサービスともちょっと違うし、受託会社やSIer、コンサルティングファームがやっているようなアプローチとも全然違う。じゃあそれって一体なんなのっていうのは、今後定義していかなきゃいけないとこなんですけど。実はそんな新しいチャレンジをしているのがうちのプロフェッショナルサービスの特徴ですよね。

松本:そうですね。2.0、海外のSaaSとの大きな差分としてお客さんとよくお話しするのは、お客さんの課題でもありROUTE06を選んでいただいている理由でもあるんですけど、カスタマイズ性というか、お客さんの事業に合わせてプロダクトを用意できるところが強みかなと。より実践的に「もの」を見ながらお客さんと議論できる。そういう型はたしかに出来てきているので、「プロフェッショナルサービス3.0の型」の言語化は、個人としても定義していきたいポイントです。

リリース後を見据えたデータ設計


遠藤:ロゴ作ったり、マーケティングもSEOも、アドのチューニングとか色々やってきましたよね。何でもやってきたんですけど、これまでの2年間で実は結構な事業やプロダクト立ち上げをやってきたので、立ち上げる行為の再現性というプロセスの型は松本さんが言う通り少し見えてきたのはありますよね。

松本:ありますね。プロセスの型が見えてきて、それに対する必要なこと、スキルもある程度見えてきつつ、さらにリリース後の型というか、お客さんから必要とされるものについても見えてきていて。

お客さんからすると、やっぱりリリース後は何はともあれ数字が気になると。ボトルネックがどこか、お客さん側の責任者がすぐ社内に報告できることが重要だったりするので。初期からダッシュボードで見える状態を作っています。
リリース後の初期ミーティングってすごい盛り上がるんですよ。ダッシュボード見ながらお客さんと「こうじゃない、ああじゃない」と仮説立てができるんですよね。そういうステップやプロセスは重要だし、これも一つの型になってくるのかなと考えてます。

遠藤:たしかに。よく「コンサルティングファームと何が違うんですか」と聞かれる中で、すごく分かりやすい違いでいうと、プロダクトリリースしたDay1からちゃんとKPIダッシュボードを一緒に作って議論しながら目線揃えてグロースに向き合うのは、全然違うところですね。自分の知る限りやってるところもなくはないんですけど、事業KPIを見ながらここまで一緒にやるのはあまりないんじゃないかなと。結構お客さんからも評価していただいているポイントだし、我々自身の学びにもなります。「Plain」の一機能としてもそうですけど、データは自社プロダクトとしても重視してるところですよね。

松本:そうですね。やっぱり事業なので一指標というよりは総合的に見ないといけないポイントが結構多くて、最初のリリース時に10枚くらいレポート出していたりするんですよね。幅広い観点で見つつ、主要KPIというか、ドライバーとなるのはこのへんだよねっていう、最初は仮説なのでそれを検証してくためにも必要ですし。データがあることでより実践的にできるかなと思ってます。

遠藤:創業して初期の頃は松本さんも自分も結構SQLでごりごりでやってましたよね。

松本:僕は今でもたまにやりますけどね(笑)話が飛んじゃいますが、SQLは好きですね。中身のデータを把握してこそプロダクトの改善ができると個人的には思っているので、これからもSQLは書き続けたいなぁと思ってますね

遠藤:松本さんは元々ヤフー時代からデータ周りかなりやってましたよね。とんでもないごちゃごちゃなデータからちゃんとデータ抽出するとか、クイックに必要なデータを引き出せるとか、実はデータ周りに強いのは松本さんの強みだったりするんですよね。

松本:データはもうずっとやってますからね。ヤフーでも楽天でもデータ周りの部門にいたので巨大なデータをどう扱うか、そのへんのノウハウはある程度持っているつもりではありますね。

遠藤:綺麗なデータを使って分析するのもそうなんですけど、事業の生々しい「このデータどうする?」という欠損してるしラグあるしという状態から使えるものに持っていく、すごくリアルな実践力っていうのが強みだと思います。プロダクト設計の時からデータフロー考えてないとほぼ使えない感じになっちゃいますよね。

松本:ですです。昔、あとでKPI見たいと思ったけど「データがありません」っていう痛いことが結構あったので、最初の設計時にリリース後に欲しいデータを想定して事前に取れるようにしておく、取れるか確認しておくっていうのがこだわりポイントではあります。

遠藤:自分のドタ勘ですけど3回くらいプロダクトの0→1、 1→10くらいまでやっていくと大体こんな感じになるんだろうなというのは分かってくるから、最初のUXやオペレーションの設計をたくさん経験できるのはROUTE06の面白いところではありますね。

松本:データのシステムだけじゃなくて、普段のメンテナンスの設計も一通りやるので、事業全体でどういうシステムがあって、どういうオペレーションが必要で、どこで人が動いてものがどう動いてという、そういうのが全部見えるのは楽しいポイントだと思います。

短期的な売り上げよりも信頼を大切に

ー 大手のお客様と信頼を築く秘訣はありますか?

松本:愚直に、お客さんの事業の成長に向かって発言したり行動するのを徹底しているので、愚直な価値提供というか。飛び道具使っているわけじゃないんですよね。なので、「これやれば大丈夫ですよ」ってあんまりなくて。お客さんが今どういう状況で、どういう風に進めたいと思っているかというのは想像がある程度つくので、それに対して先手先手で手を打ってあげるとか。そういうアプローチをしているので、そういうところがもしかしたら評価されているのかなとは思います。

遠藤:信頼されることを最上位において動いているっていうのはありますよね。自分たちの短期的な売り上げがどうこうという話は、当然考えはするんですけど、それよりもまず信頼されるような振る舞いをしようぜと。割りに合わないから辞めておこうという話ではなく、まずはちゃんと信頼されること。信頼されるとコミュニケーションが円滑になっていくので、割りに合わなかったことが割りに合うようになっていったり、中長期での経済合理性もついてくるので。ちょっと精神論っぽいですけどね、そういうことを意識した動き方を松本さん筆頭にプロフェッショナルサービスチームがやっているからこそ、既存のお客さんから「あの部署のあれもやってくれ」とか「このプロジェクトもどうですか」というクロスセル、アップセルが起きているのは大きいですよね。

創業時の想定が外れたこと


遠藤:創業の時に色々議論していたことは、当時のイメージに近いものができてきてるじゃないですか。そんな中で自分が「これは予想外したな」ということが何個かあって(笑)。良い意味で想定と違ったのは、プロフェッショナルサービスにおいては、戦略コンサル経験者がもっとたくさん必要だと思っていたんです。大手企業でのコミュニケーションにおいてステアリングコミッティで話をしたりすることもあるので、そういうスキルを持った人が多く必要かなと思っていたんですけど。

実際必要な部分も多分にあるんですが、自分の感覚だと思ったよりもコンサルティングファーム的な動きよりも、メガベンチャーやスタートアップでプロダクトを作っていたプロダクトマネージャー、ソフトウェアエンジニア、デザイナーが、ちゃんと「もの」に向き合ったコミュニケーションやアウトプットを出すと必然的にお客さんに信頼されるという。思ってたよりも中身であったり、実直さ、プロダクトにつながる動きが評価されるし、理解してもらえるなという発見がありました。

そもそも従来型のコンサルティングのアプローチに少なからず不満を持っているお客さんがいるからこそ、我々みたいなところに声がかかっているわけで。引き続きプロフェッショナルチームとしては、実践的なこと、愚直なこと、目立たないかもしれないけど都合の悪い事実から逃げずにお客さんの事業に向き合うことをやっていってほしいと思いますね。

松本:はい。今年からは土台づくりというか、実践的に作っていくフェーズになっているので、それが出来るような体制を作っていきたいなと宣言します!


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