Qiita創業者・小西智也に聞く、産業DXを支えるROUTE06の自社プロダクト開発
こんにちは、ルートシックス編集部です。今回は、当社のカジュアル面談にも登場する取締役・小西智也さんのショートインタビューをお届けします。
小西さんは2020年5月、取締役としてROUTE06に参画しました。創業者として開発したサービス「Qiita」のM&A後、しばらく家庭中心の生活をしていた小西さん。ROUTE06を選んだ理由、今取り組むプロダクト開発の話、そしてROUTE06の組織についてお話を伺いました。
直感で選んだROUTE06と「産業DX」の面白さ
ー現在の仕事内容について教えてください。
プロダクト開発をメインに担当しています。参画してから昨年末までは、社内制度の整備や採用の仕組みづくりも担当していました。
ー小西さんは創業の約半年後に参画されてますよね。当初からプロダクト開発を担当することを想定されていたんですか。
そうです。ROUTE06は代表の遠藤さんに加えて、CTO経験があり今はBizDevとPdMを担っている松本さん、ソフトウェアエンジニアとして開発全般に強い重岡さんの3人が創業した会社なんですが、ROUTE06は創業時から自社プロダクトの提供を目標にしていたので、そこを強化していくためにプロダクト開発やデザインが得意分野である私が入りました。
ー昨年まで組織づくりを担当していたのはなぜですか。
前職ではプロダクトの思想や価値を考えて機能に落とし込み、情報設計、UIデザイン、実装、グロースなど、プロダクトをゼロから立ち上げて成長させていく一連のプロセスを経験したんですが、「会社」もある意味プロダクトと同じように捉えられると思っていて。ROUTE06というプロダクトを成長させるという観点で、組織づくりも僕が担当していました。
ー小西さんはなぜROUTE06に参画することを決めたのでしょうか。
2017年末に前職を退任した時期に、ちょうど第一子が生まれたタイミングでもあったのでそのまましばらくは家庭中心の生活をしていたんです。そんな中で偶然知人の紹介で遠藤さんと話す機会があり、第二子が6ヶ月に差し掛かるタイミングで改めて声をかけていただいて参加することに決めました。
次の仕事についてはゆるく考え続けてはいました。自分が代表をするのか、また誰かと一緒に創業するのか、いち社員として働くのか。いろいろ選択肢はありましたが、オファーいただいてからほぼ迷うことなく決めたのを覚えています。
当時はまだ創業直後なのもあってこれから具体的になる段階でしたが、どこに向かおうとしているのが遠藤さんの中には明確にあるように感じました。私自身の手で大きくしていける感触もありましたし、直感で「産業DXの領域でチャレンジするのは面白そう」と感じたことが決め手でした。
エンタープライズの商取引を支えるプロダクトづくり
ー取り組んでいるROUTE06のプロダクト開発について教えてください。
これまでROUTE06として幅広い産業のマーケットプレイスを立ち上げてきた経験から得られたインサイトを基に「Platform as a Service」のプロダクト開発を進めています。エンタープライズ向けのSaaSですね。
創業から2年が経ちましたが、ROUTE06にご相談いただく内容を振り返ってみると、企業間や、企業と個人間での取引に関わるものが多いことに気づきました。取引のデジタル化というとECですが、ECと一言で言ってもBtoBとBtoCでは全く異なる需要があり、さらにBtoBの中でも取引内容によってはより複雑なプロセスが存在するなど、シンプルに既存のソリューションを導入するだけでは解決できない課題が多くあることがわかってきています。
私たちが提供するプロダクトはその課題を解決するためのもので、特にエンタープライズの需要に適合できるプロダクトをリリースすべく開発に取り組んでいます。取引自体に関すること以外にも、そもそもの産業構造や現場のニーズなどいろんな情報を整理して「どんな思想で/何を作るべきか」というプロダクトのコンセプトを考えつつ、プロトタイプの開発を進めています。
エンタープライズの商取引を広くカバーできるプロダクトにしたいと思っているので複雑さはありますが、その分提供価値も大きくとても面白いです。
ープロダクト開発において大切にしていることはなんですか。
前回の起業から一貫して、ユーザーヒアリング、一次情報に触れることは大切にしています。
前職の創業後にOpen Network Labに採択されて、当時メンターとして参画されていた前田ヒロさん(現ALL STAR SAAS FUNDのマネージングパートナー)のメンタリングで受けた影響が非常に大きいです。スタートアップがやるべきなのは徹底的にユーザーに向き合うことだという考えをレクチャーされ、Open Network Labのプログラム中は徹底的にユーザーヒアリングをしていました。
ユーザーの話を聞き、その内容を受け止めて考えて抽象化してプロダクトに反映することは、僕がプロダクト開発する上で習慣にしている大切なポイントですね。
ー小西さんの思うプロダクト開発の魅力はなんですか。
自分たちが仮説を立てて作ったものが実際に誰かに使ってもらえて、価値を感じてもらい、フィードバックが返ってくるというその一連のサイクルが好きです。ものづくりの楽しさを知ってしまったので、新しいプロダクトを作って、それを利用した誰かに価値を感じてもらえることはとても幸せですし、プロダクト開発は楽しいです。
ROUTE06の人は誠実で中庸
ーROUTE06で働く人について教えてください。どんな人が多いですか。
一言でいえば、「誠実」でしょうか。これは代表の遠藤さんのカラーがすごく出ている気がしていて、役員も社員も、この会社に集まる人には誠実さがあると感じます。
役員については「中庸」という言葉も思い浮かびます。特定のところに傾倒することは好まないというか、今取り組んでいるものの反対側のものにも目を向けるような人たちです。
私たちはミッションとして「リアルとデジタルが滑らかにつながる社会をつくる」を掲げていますが、これは間違いなく会社の方向性を表している一方で、社内でこのミッションを頻繁に口にするかというと実はそうではないんです。
常に「より良い、適切な言葉があるのでは」と疑い続ける感覚を持っていたいというのと、人によっていろんな考え方、感じ方があることを大事にしたいので、ひとつのミッションを強要することが正しいとは思っていません。どちらかに極端に傾倒しない、常に中庸でいる感覚が特に役員は一致しているような気がします。
ーROUTE06にはどんな人が合うと思いますか。
誠実で、自立している人でしょうか。ROUTE06はフルリモートなので、自分をコントロールできる人が安定的に能力を発揮しやすいかなと思います。休むときは休むというメリハリも大事ですね。
ROUTE06は様々な業界のDXプロジェクトに関わらせていただいていることもあって社内に選択肢も多いため、できること/できないこと、やりたいこと/やりたくないことを考えながらご自身で活躍の仕方を選択していただけると、より良い時間が過ごせると思っています。
もしくは、まだそこまではっきりしていないけど何か頑張りたい、成長したいという人も、挑戦できる舞台がたくさんあると思います。メンバー全員が会話を大切にしているので、いろんな人と話しながら自分のあり方を考えていただけるといいのかなと。
ー最後に、ROUTE06をどのような組織にしていきたいですか。
テクノロジーに関心があり、様々な個性の人が集まっている会社にしていきたいですね。「ナラティブな組織」というキーワードもあり、そのあり方は今後も継続できるといいなと。
あとは、日本中のソフトウェアエンジニアに広く関わってもらうとか、関わり方にグラデーションを持たせながら、ものをつくる人が楽しく働ける組織にしていきたいです。
ー小西さん、ありがとうございました!
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2022年3月10日:記事内の表現を一部修正(Marketplace as a Service → Platform as a Service)